とある女性の飛田新地で働く理由

とある女性の飛田新地で働く理由

飛田新地で働きはじめた理由

なぜ飛田で働こうと思ったのかと言うのは、たくさんの要因があるから一言では表せない。

まず、もちろんお金が欲しかった。というよりも必要だった。
当時はキャバクラでアルバイトをしながら学生をしていたんだけど、キャバクラの営業終了時間は日によって不定なうえに酔ってしまうと次の日の勉強に響いた。
今ではこんな仕事をしているけど割と真面目に勉学に励んでいたのでそれが痛かった。
それからキャバクラアルバイトでの女の子の稼ぎは世の中で言われているほど多くない。
確かに時給は普通の飲食店よりは良いけど、労働時間は短く、日によるけど20時からの6時間くらい。時給3500円だとすると日給21000円。そこからホステス税を引かれて19400円。
そして毎日ヘアセットに2000円超、時折ドレスを新調、暇な日は早上がりさせられて4時間しか働けなかったり。あと遅刻や欠勤で5000円から1万くらい罰金も取られる。厳しいところだとノルマをクリアできないと罰金なんてのもある。
キャバクラバイトでも月給20万くらいあれば大学生なら充分楽に暮らしていけるはずなんだけど、私は自分で学費を払ってたので少し厳しかった。
厳しかったというのは光熱費が払えないほど生活が苦しいというのではなくて、学費をご両親に払って貰えてる同級生と同じ振る舞いをするほどには金銭的な潤いがなかったという意味。スタバでお茶なんて金持ちだなーって思うくらい。

そして性病も怖いし好きでない他人とキスするのが生理的に無理だった。だからヘルスで働くのは頭になかった。

それから、自己肯定感の低さがあった。きっとここが一番自分の中で大きい要因なんだと思う。
大学生の時、同級生に対して変に対抗意識燃やしちゃってた。私は自分で学費も稼いで誰よりも勉強してる、親の金で遊んでるあなた達とは違う、誰よりも賢くなって良い生活をするのは私なんだって。でも3年生の冬に自律神経失調症になって勉強に躓いて自信を喪失した。今思えば毎日実態のない何かと一人で闘ってて気を張りすぎていた。
こんなどうしようもない自分だから風俗で働くくらいがちょうどいいんだ、なんていう気持ちがどこかにあったのかもと思う。もちろんこれほ私に限ったことで、みんながみんなそうではないんだけど。

あと2カ月後には前期の授業料を振り込まないとって毎日お金の計算をしている時、ネットで飛田新地の求人を見つけた。
15分5000円のお給料、しかもプレイは全てゴム付きでキスもなし。どんなところだろうって調べて求人に応募してみた。春のこと。

 

初めての面接

飛田新地の求人広告は何件か見つけたけど、電話を掛けるのが怖くてラインで応募できるところに連絡した。
1件目はお店のマスターではなくてスカウトだった。それもあまり質の良くないやつ。こんなに稼げてますよーってタイムラインの更新はしているくせに返信は遅く、面接の前日になってもどこに何時に行けばいいか教えてくれなかった。後になってその人は飛田新地を紹介すると言いながら、女の子の希望でない業種に無理矢理放り込むようなことをしていると聞いた。
不安になってもう1件連絡してみるとすぐに返信が来て、その日のうちに面接をしてもらえることになった。一通りのメイク道具とワンピースを何着か、それから身分証を持ってお店の最寄り駅まで迎えに来てもらった。

なぜか緊張しなかった。現実味がなかったのかもしれない。面接までの行程はキャバクラでお店を移籍するのとさほど変わらなかったからかもしれない。
初めて降りる駅で辺りを見回した。これから私の人生が変わるのかもしれないと思った。
言われた特徴の車を見つけ、運転席の男性に向かって会釈すると手を振ってもらえて後ろに乗るよう言われた。お店に向かう道すがら、飛田新地がどんなところか知っているか、他に風俗経験はあるか、普段は何の仕事をしているか、何かの事務所に所属しているかなどを聞かれた。
お店に着くまでに飛田新地の他のお店の前を通った。運転席の男性によく見てごらんと言われたけど、ライトアップされて凄まじく綺麗な女の子達と目を合わせるのがなぜかとても恥ずかしくて、見ている振りをしながら誤魔化した。

お店に着くと、2人の女の子が居た。2人とも水着を着ていたのでびっくりした。呼び込みのおばちゃんと女の子達に挨拶をし、とりあえずお化粧をしてみてと言われた。
その時に運転席の男性がお店のマスターだと知る。今まで水商売はしていたけど、面接の迎えにはボーイさんが来るのが当たり前だった私にとっては衝撃だった。

 

間口に座る

その時は大学用の薄メイクしかしていなかったので、つけまつげを付けてアイラインを引きチークをはたいた。普段キャバクラに出る時はこんな感じです、と言うとマスターとおばちゃんからの手直しが入った。自分の肌よりも1トーン明るめのファンデーションを塗られ、つけまつげは上に2枚重ねにされ、目尻にもオーバーに付けられ、チークはオカメインコみたいに濃くされた。舞台メイクのようだった。

これはブスにされてしまったぞ…と思ったけど言い出せず、部屋を割り当ててもらってとりあえず座ってみましょうと言われた。
玄関に向かうと、間口の明るさと外の暗さに驚いた。手鏡を渡され、照明でこんな風にライトアップされているとチークの色も掻き消されてしまうからオーバーに化粧をしたのよ、と説明された。私はそれにしても濃すぎると感じたのだけれども。

座りながらおばちゃんに話を聞いた。間口は狭く3.4メートル程しか視野がないため、通る人の視線を貰うためにおばちゃんが呼び込みをする。お客さんの視線は近隣の店舗との取り合いになる。その中で誰か1人を狙って目を合わせ続ける。脈がありそうなら手も振るといい。ニコニコ笑って愛想を振りまいて、と。

なぜか緊張しなかった。むしろすごく楽しかった。お店の人達が想像よりもずっと優しかったからかもしれないし、通行人が私を見て驚嘆の声を上げるのが嬉しかったのかもしれない。
おばちゃんとマスターにもびっくりされるくらい自然に笑顔を作れていた。

おばちゃんが今日入った新人さんですよーって言っていたら、眼鏡をかけた若いお兄さんが立ち止まって「今日が初めてなの?」って聞き返してきた。笑顔のまま頷いた。

座って10分もしないうちにお客さんがついた。


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当方は飛田新地、松島新地などの「料亭(遊郭)」求人の仕事に長年携わっていました。
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